民法総則の解説

(未成年者の営業の許可)
第六条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

≪解説≫

「営業」とは、独立してすること、を意味します。
他人に雇われることは、「営業」にはあたらないと解されています。

「一種」または「数種」と規定しているのは、数種でもよいけれど、種類を限定せよ、という趣旨です。
つまり、すべての営業を許可するといった許可はできません。

法定代理人は、営業の許可を取り消し、または制限することができます。


≪解説≫

取消権について、解説しておきます。

未成年者が、法定代理人の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができます(5条2項)。

法律行為は、一応有効ですが、あとで取り消すことができる、という意味です。

法定代理人は、未成年者の行為を取り消すことができます。

未成年者自身が、取り消すこともできます。
この場合、「取り消したことを取り消す」とし、契約を元に戻すことはできません。
つまり、取消しは、未成年者が、単独で、有効にすることができます。

なお、婚姻・離婚のような身分上の行為は、取消しの対象になりません。
身分上の行為は、もともと代理できるものではなく、また、同意の対象にもならない性質のものだからです。